チャートを閉じることへの抵抗
含み損のあるポジションを持っているとき、チャート画面を閉じることに強い抵抗を感じる方がいます。閉じてしまうと「何かを見落とすのではないか」「閉じている間に状況が悪化するのではないか」という不安が湧いてくるのです。
この気持ちは、トレーダーであれば誰でも一度は経験するものです。閉じれば楽になるとわかっているのに、閉じられない。この矛盾の中で1日を過ごしている方は少なくありません。
「見ていれば守れる」という錯覚
チャートを見続けている間、自分がポジションを「守っている」ような感覚があります。何か起きたらすぐ対応できる、見逃さない、そう思えるからです。
けれども実際には、見ていても何も変えられない時間のほうが圧倒的に長いです。価格が上がろうが下がろうが、画面の前に座っていることと判断することは別のことだからです。
見続ける疲労と判断の質
長時間チャートを見続けていると、思考は徐々に鈍くなっていきます。同じ情報を繰り返し処理し続けることで、脳は疲労していきます。
疲労した状態で判断する内容と、休息を取った後で判断する内容は、しばしば大きく違います。見続けることが、かえって判断の質を下げているという皮肉が起こります。
閉じても相場は動き続ける
当たり前のことですが、自分がチャートを見ていようが見ていまいが、相場は同じように動きます。見ていれば動きが止まるわけでもなく、見ていなければ大きく動くわけでもありません。
この事実を頭で理解していても、感情はそれを認めません。「見ていないと不安」という気持ちは、論理ではなく心理の問題だからです。
閉じる代わりに「任せる」
チャートを閉じることへの抵抗を和らげる方法のひとつは、見ていない間の代わりを用意することです。事前に注文を入れておく、通知を設定しておく、ストップを置いておく。何かが起きたときに自動で動く仕組みがあれば、見ていない時間にも安心が生まれます。
「自分が見ていなくても、誰かが代わりに見ていてくれる」という感覚があると、画面を閉じる勇気が出てきます。これは技術ではなく、安心の作り方の問題です。
閉じた先にある時間
チャートを閉じた1時間、何ができるでしょうか。家族と話す、散歩する、本を読む、ただぼんやりする。FXのために犠牲にしていた時間を、少しずつ取り戻すことができます。
長く取引を続けていくためには、相場と離れる時間が必要です。離れることは怠けることではなく、長く続けるための準備です。今日チャートを閉じる勇気が、明日の冷静な判断につながっていくはずです。
※本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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